Evolutionary Topology Optimization

TOPOLOGY OPTIMIZATION / RESEARCH ATLAS

磁場と応力を同時に考慮した
トポロジー最適化

磁場と応力を考慮して、モータの鋼板と空隙の配置を探索する。
NGnet on/off法で得られた最終パレート解と、その形が持つ意味を紹介します。

01 / PARETO EXPLORER

ハイブリッド自動車を想定した体格のモータ最適化結果

平均トルク最大化・トルクリプル最小化
最大von Mises応力300 MPa以下の制約
点をクリックすると個体の形状を表示します。

最終世代のデータを読み込んでいます…
● 1,024個体:200世代● 1,024個体:400世代● 640個体:200世代制約を満たす解のみ

点にフォーカスしてEnterで選択。下の選択欄からも全個体にアクセスできます。

個体 —
■ 鋼板■ 磁石□ 空隙
平均トルク—Nm
トルクリプル—Nm
最大応力—MPa

磁場・応力分布の個体別表示は準備中です。ここでは形状と保存済みの評価値を表示します。

02 / METHOD

NGnet on/off法による材料配置の表現

多数の要素を直接ON/OFFする代わりに、
ガウス基底の重みを設計変数にします。

NGnet / NORMALIZED GAUSSIAN NETWORK
φ(x)=∑i=1Nwigi(x)∑i=1Ngi(x)
gi(x)=exp(−‖x−ci‖22σ2)
φ(x) ≥ 0 鋼板 ONφ(x) < 0 空隙 OFF

100個のガウス基底・共分散パラメータ2×10⁻⁶ m²。磁石など固定領域を保ち、設計領域内の材料配置を変化させます。

  1. 01

    滑らかな設計場

    ガウス基底の重みが、穴の位置・形・つながりを決めます。対称な基本領域を展開し、モータ全体の形状を構成します。

  2. 02

    磁場と応力を評価

    回転位置ごとのトルクを非線形磁場解析で求め、遠心力による最大von Mises応力をP2要素で評価します。

  3. 03

    NSGA-IIで選択・更新

    平均トルク最大化とピーク間リプル最小化を両立する解を残します。応力などの制約違反にはペナルティを与えます。

手法の背景:Sato et al., NGnetを用いたIPMモータのトポロジー最適化(2015)。本サイトの数値・形状は本プロジェクトの計算結果です。

BOUNDARY RESOLUTION

リメッシュによる材料境界の高精度化

形状の離散化が、局所応力の評価を左右します。単に要素を増やすのではなく、NGnet関数を追加節点で再評価し、材料境界を捉え直します。

01等高線付近の背景メッシュを細分化
02NGnet関数を新しい節点で再評価

追加した節点でも材料の有無を判定し、境界の位置を求めます。

03MMGで材料境界に適合

加工R=0.5 mm、各90°円弧を16分割。結合面・分離面を保持。

04微小辺を検査して応力解析へ

結合端付近の条件を満たす微小自由辺のみスナップし、接続と要素品質を検証。

リメッシュと応力評価に関する参考文献

Takenouchi・Hirumaらは、IPMモータの最適化に応力・接続性・メッシュ品質の制約を取り入れ、材料境界に適合するメッシュを用いて磁場・弾性解析の精度を確保する方法を報告しています。本サイトのリメッシュと応力評価に関連する研究として引用します。

K. Takenouchi, S. Hiruma, T. Mifune and T. Matsuo (2024), Topology and parameter optimization of IPM motor considering mechanical strength by stress and connection constraints, COMPEL, 43(4), 839–851.
DOI: 10.1108/COMPEL-11-2023-0551 · 北海道大学リポジトリ

以下の精度検証値と本サイトの最適化結果は、本プロジェクトで得た値であり、引用論文の結果ではありません。

本プロジェクトの精度検証例:39.175 Nmの個体ではRを16・32・64分割した鋼板最大応力は298.662 / 298.618 / 298.802 MPa。これはこの個体での検証であり、全解のメッシュ収束を保証するものではありません。磁場用背景メッシュは別設定です。

03 / REFERENCE TOPOLOGY

基準モータの形状と解析条件

基準は8極48スロットの埋込磁石型モータ。V字配置の磁石とその端部の空隙を固定し、ロータ鋼板の配置を探索します。

右図は固定CADに基づく基準領域です。トルク・応力の数値を評価した「最適化前の比較解」ではありません。

磁石
V字配置 / 残留磁束密度1.25 T
積厚
50 mm
磁場解析
相電流30 Arms・位相30° / 0–15°、17点
応力解析
12,000 rpm / 平面ひずみ / P2要素
磁石との界面
遠心力で押し付けられる側の長辺のみ結合、他の面は分離・自由面

基本領域を対称展開したロータ。灰色=設計鋼板、朱色=磁石。

選択肢は最適化時の保存値(平均トルク / リプル)。以下の表は細分化メッシュでの再評価値です。

04 / ABLATION STUDY

中央の穴が電磁性能と応力に与える影響

1,024個体・400世代の保存値40.159 Nm・5.039 Nmの解について、
中央の両側2穴、中央1穴、中央3穴すべてを対称に埋めた4パターンを比較しました。その他の穴は維持しています。

元形状、両側2穴を埋めた形状、中央1穴を埋めた形状、中央3穴すべてを埋めた形状
細分化メッシュ・64分割(65点解析、初回除外)での再評価
ケース平均トルク
Nm
リプル
Nm
最大応力
MPa
元形状39.9905.178299.831
両側2穴を埋める40.0455.221313.031
中央1穴を埋める40.0225.245313.509
中央3穴すべてを埋める40.0555.234325.333

最大応力は最適化と同じ節点投影によるvon Mises評価。300 MPa超を朱色で表示。

磁束密度・応力分布・トルク波形の比較を見る
同一機械角2.34375度における4ケースの磁束密度分布
同じ回転位置(2.34375°)の磁束密度。相電流30 Arms・位相30°。背景メッシュの目標辺長37.5 µm。
4ケースの鋼板von Mises応力分布
節点投影による鋼板von Mises応力分布。図中のMaxは表と同じ節点投影の最大値です。12,000 rpm・平面ひずみ・P2要素。
初回を除いた4ケースの64点トルク波形
機械角0–15°を64分割して65点を解析。初回を除く64点をプロットし、その算術平均と最大値−最小値で評価します。表は再解析値であり、パレートフロントの保存値とは異なります。
アブレーション数値データ CSV ↓

04 / ABLATION STUDY

中央の穴が電磁性能と応力に与える影響

1,024個体・400世代の保存値42.465 Nm・6.680 Nmの解について、
中央外2穴・中央中2穴・中央全5穴を対称に埋めて比較しました。全5穴には対称軸上の小穴を含み、その他の穴は維持しています。

元形状、中央外2穴、中央中2穴、中央全5穴を埋めた形状
細分化メッシュ・64分割(65点解析、初回除外)での再評価
ケース平均トルク
Nm
リプル
Nm
最大応力
MPa
元形状42.1246.717298.024
中央外2穴を埋める42.51315.388332.735
中央中2穴を埋める42.2046.986324.198
中央5穴すべてを埋める42.55515.570352.573

最大応力は最適化と同じ節点投影によるvon Mises評価。300 MPa超を朱色で表示。

磁束密度・応力分布・トルク波形の比較を見る
同一機械角2.34375度における4ケースの磁束密度分布
同じ回転位置(2.34375°)の磁束密度。相電流30 Arms・位相30°。背景メッシュの目標辺長37.5 µm。
4ケースの鋼板von Mises応力分布
節点投影による鋼板von Mises応力分布。図中のMaxは表と同じ節点投影の最大値です。12,000 rpm・平面ひずみ・P2要素。
初回を除いた4ケースの64点トルク波形
機械角0–15°を64分割して65点を解析。初回を除く64点をプロットし、その算術平均と最大値−最小値で評価します。表は再解析値であり、パレートフロントの保存値とは異なります。
アブレーション数値データ CSV ↓

04 / ABLATION STUDY

中央の穴が電磁性能と応力に与える影響

1,024個体・400世代の保存値41.534 Nmの解について、
中央4穴を対称に埋めた4パターンを再解析しました。

元形状、中央外2穴、中央中2穴、中央4穴すべてを埋めた形状
細分化メッシュ・64分割(65点解析、初回除外)での再評価
ケース平均トルク
Nm
リプル
Nm
最大応力
MPa
元形状41.3745.950290.581
中央外2穴を埋める41.86613.380312.003
中央中2穴を埋める41.4896.291302.227
中央4穴すべてを埋める41.87413.419321.694

最大応力は最適化と同じ節点投影によるvon Mises評価。300 MPa超を朱色で表示。

磁束密度・応力分布・トルク波形の比較を見る
同一機械角2.34375度における4ケースの磁束密度分布
同じ回転位置(2.34375°)の磁束密度。相電流30 Arms・位相30°。背景メッシュの目標辺長37.5 µm。
4ケースの鋼板von Mises応力分布
節点投影による鋼板von Mises応力分布。図中のMaxは表と同じ節点投影の最大値です。12,000 rpm・平面ひずみ・P2要素。
初回を除いた4ケースの64点トルク波形
機械角0–15°を64分割して65点を解析。初回を除く64点をプロットし、その算術平均と最大値−最小値で評価します。表は再解析値であり、パレートフロントの保存値とは異なります。
アブレーション数値データ CSV ↓

05 / INDUSTRY–ACADEMIA COLLABORATION

産学連携に関するご相談

モータのトポロジー最適化や、磁場・応力を考慮した設計に関する産学連携のご相談をお受けしています。

クラウド計算費用の目安

今回の最適化では、1個体あたり17ステップの磁界解析、リメッシュ、1ステップの応力解析を行いました。AWSなどのクラウドを利用する場合、200世代の計算費用は以下の試算となります。

今回の解析条件に基づく試算
1世代あたりの個体数世代数計算費用の目安
640個体200世代約3万円
1,024個体200世代約5万円

クラウド計算費用の参考値としてお考えください。実際の費用は、解析条件や利用するクラウドの構成・料金によって変わります。